純氷(じゅんぴょう)の話




①氷工房にはし移転予定
「舞阪純氷・浜松純氷」とは
③純氷(じゅんぴょう)の大きさと重さ

④氷彫刻の氷が溶ける」意味の違い

⑤取材のお問い合わせについて
⑥フローラルアイスの作り方
 
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①工房の建物老朽化のため移転します。
  工房の建物はラーメン店「福好」から受け継いだもので
 私が工房を開業して28年になりますが

 外観と一部の内装は当時のままに使っています。

  ごらんのとおりの古い建物なので
 「どうしてこんな古い(ボロい)建物に住んでいるのか」と
 言われることもよくあります。

  当時、浜松で氷彫刻が知られていないころ
 工房を開く場所を探していた私に
 「古いけれどここを拠点にしてみないか?」と
 繁盛しているご自分の商売をやめて
 貸してくれました。
 この方のおかげで浜松に工房を開き
 氷彫刻を続けることができています。


  西洋料理出身の方で氷彫刻に理解があり
 年上の方でしたが、私の休みに合わせて
 毎週ふたりで浜松駅前の製氷会社の駐車場で
 一緒に練習していました。


  一年でも一月でも長く使い続けたかったのですが
 建物は60年以上経過していて
 かなりの老朽化のため取り壊すことになりました。


 60年以上続く、当時のままの外観

②「舞阪純氷」と           
   「浜松純氷」(ソーラーアイス)
全国でも浜松だけのプレミアム純氷
 どちらもの氷もおすすめです!!


  氷彫刻に使用する氷は食用にできますか?
 という質問を受けることがありますが
 「最上級の美味しい氷」が彫刻用になります。
 できるだけ不純物が少なく溶けにくい氷が彫刻には必要なので
 食用以上に純粋でクセの無い氷です。
 
  
全国の製氷会社で作っている氷は、
 水を撹拌しながら-10℃前後の温度で
 2日間(48時間)
かけてゆっくり凍らせた
 不純物(主に空気)の少ない「純氷」と呼ばれるブランド氷です。
 溶けにくく硬い性質を持ちます。

 ◎舞阪製氷(株)が作る
      「舞阪純氷」

  
創業100年(2018年現在)の舞阪製氷
 国内唯一、レンガで囲まれた昔ながらの水槽で
 時間と手間をかけた硬い氷にこだわり
 製氷のためのブラインと呼ばれる塩水の温度を
  -7℃~-8℃の高い温度で
 5日間(120時間)かけ
 完成までに2度の水抜きをして製氷しています。

◎浜松委託倉庫(株)が作る
      「浜松純氷(ソーラーアイス)」
  浜松委託倉庫コールドセンターが最新の設備で
 地下100mの天竜川の伏流水を使い、
 安心安全で美味しい水に徹底してこだわり
 -7℃前後の高い温度で
 7日間(168時間)かけて製氷しています。

 ※舞阪純氷、浜松純氷とも
 7月中旬~8月下旬までは品切れになり
 ご予約以外お取り扱いできないことが多くあります。

純氷の大きさと重さ
  氷1本の大きさは300ポンド(135kg、36貫目)
 1貫目3.75kg⇒約12.5㎝角のサイコロ型×2ブロック
 販売は1貫目単位で、かき氷機には2分の1貫目が乗ります。

  
13kgをカットして販売するので
 細かく切れば切るほど歩留まりは少なくなります。


  
良く見るとコンビニ等で販売している氷は
 1.1kgとか1.7kgとか半端な大きさですが

 
元の36貫目の氷をカットしていくため自然と
 半端な重さになってしまいます。

 
例えば1貫目は36個にカットするため
 すでに切ったロスが出て目減りしています。


  切ったロスを考えると
 
1貫目を1/2にカットすれば1.7kg、1/3にカットすれば1.1kg
 といったようになります。
 
最近では純氷からカットやクラッシュしたものでも
 1kgや2kgで売っているものもありますが
 クラッシュした氷を袋の上からつまむと最大の厚さがわかるものがあり
 その場合は製氷機で作ったものをクラッシュしていることもあります

 ◎1貫目でかき氷何杯?

  1貫目で何人前取れますか?とご質問をいただきますが
 
カップの大きさ、またシロップを何回かけるかによって大きく違います。

 一般的な発泡スチロールの器は約15~30杯ぐらいで
す。
 器を決めると取れる杯数が決まります。

 シロップも1回掛け2回掛け3回掛けの違いで
 多いほうが氷が溶けて少なくなります。

 ケーキ店や甘味処では12~14杯ぐらいとっています。
 私の工房では約12杯取っています。

④氷彫刻の「氷が溶ける」意味の違い 
  ◎氷彫刻の「氷が溶ける」という意味の違い
  
  氷は溶けますが、一般の方の「溶ける」と
 氷彫刻での「溶ける」ではかなり大きな違いがあります。
 
 氷彫刻において 「氷が溶ける」とは
 見た目は氷の塊であっても
 氷自体はすでに劣化して溶けている状態のことで
 
チョコレートに例えると、見た目は個体であっても
 触るとやわらかい状態を言います。
 
透明になると「溶ける」状態のようになります。

 1)一般的な氷が溶ける意味
  みなさんが目にする氷は
 グラスに入れて飲み物を注ぎ小さくなって溶けていく状態

 水の中に入れた物を見ることが多いと思います。

 生ぬるい液体ではみるみる小さくなって無くなってしまいます。


 
2)パーティやイベントで飾る氷彫刻が溶けるという意味
  
氷彫刻は溶けはじめると透明になりライトの光で輝いてきます。
 
同時に作品の形が変化して行くのでこの
 「溶けはじめる状態を氷が溶ける」と表現します。
 溶けてなくなるという意味ではありません。


  
婚礼やパーティの打ち合わせで、溶けるというお話をすると 
 
氷自体が溶けて無くなるイメージがあるようですが

 
氷彫刻では形が変化し始めてくる状態を「溶ける」ということが多いのです。

 
 たとえば3時間飾ると作品は溶けて少しずつ形が変わっていきますが
 氷として言えば500kgのものがまだ450kgも残っているくらいです。

 
「純氷」は溶けにくいのですべて水になるにはとても時間がかかります。


 
3)氷を彫刻するときの溶けるという意味

 
 冷凍室で制作するときは良いのですが
 大きな冷凍室があるところは少ないので
  
  常温で彫刻するときは温度差で割れないように氷の温度を上げておきます。
 
氷が少しずつ溶けていくので早く彫らなくてはいけないのですが
 目安として氷の中に細かなヒビ(のようなもの)ができないうちに完成させます。
 
 
ヒビが出始めると再冷凍がきかず元の溶けにくい氷に戻ることはありません

  
「純氷」を製氷するときにキレイに整列した水の分子が
 劣化してほどけていくような状態で
 ヒビのようなものが出始めます。
 このまま進むと霜柱のようになり手で簡単に崩れてきます。

  
直射日光ではなく反射光でも30分もしないうちに劣化するので
 
閉め切った部屋の蛍光灯の灯りの中で彫刻します。
 最近のLEDでは劣化しにくいものもあるようですが
 電灯の中では蛍光灯が一番溶けにくい気がします。


 
4)撮影用で氷の劣化
(溶ける)という意味
  
撮影用で強いライトをあてるとわずか3分も持たずに
 氷の中に多くのヒビが現われ
わずかな時間で
氷全体に広がり
 濁って不透明な氷になってしまいます。
 
 
  
このヒビが現れはじめた状態を私は氷の劣化と呼び
 
大きさは変わらないのですがすでに溶けています。
 
溶けるという表現が当てはまるかわかりませんが、もう使えません。
 
  
ヒビが少しでも現れはじめた時点で再冷凍がきかなくなり、
 
いったん冷凍室で凍らせても常温に出すとすぐに溶けはじめます。

  
整列した水の分子がほどけた状態で再冷凍するからだそうで
 
冷凍庫の中で凍らせてあっても
 氷自体はすでに溶けている
(劣化)ということになります。

  テレビ局のスタジオ等でリハーサルに数分間使用しただけで
 形は完全に残っていても
 氷が濁り溶けやすく本番ではもう使えなくなります。

 お客様から注文をいただいた作品を撮影するのも同じで
 ライトを当てたりしていると氷が劣化して
 食べ物で言えば注文の品に箸を付けたことと同じになってしまいます。
 
 たかが氷かもしれませんが取り扱いが大変難しい生き物です。

 4)その他の溶ける(劣化)ということ
 
直射日光は溶けるより早く氷を劣化させて
 すぐに細かなヒビが入り不透明なもろい氷に変化していきます。

  屋外に展示するとき直射日光があたった氷は崩れて大変危険です。

 
直射日光でなくても日の明かりや紫外線また赤外線でも
 わずか数分で劣化していきます

 
◎ご存知の方も多いことですが氷に
『風』は大敵です。
 
冷風を送るために扇風機の前に氷を置くことがありますが
 見ている間に驚くほどのスピードで溶けていきます。

  夏の
「エアコンの冷風の前に置いて涼しくすれば長持ちですか?」
 というご質問でも答えは同じで

 たとえ冷たい風であってもすぐに溶けてしまいます。


  
劣化した氷は飲み物に入れると水っぽくて美味しくありません。
 元がどんなに良い氷でも冷やし用に使ってください。

⑤取材お問い合わせについて
  各メディアの皆様、多くの取材のお問い合わせ
 ご依頼をいただきまことにありがとうございます。
  
  工房では氷の仕入れから搬入、氷のカット等の
 作業風景の取材はお受けしています。
 
  お客様からの了解をいただければ、
 パーティ・イベント会場でのパフォーマンスや
 氷彫刻のセッティングの取材もお受けできます。
  その際は打ち合わせをしていただき
 特別にでなくて結構です、一部ですがトラブルもありますので
 各所への良識あるご配慮をお願いいたしております。

  ただ、お客様からご注文をいただいた彫刻の制作風景
 完成作品の撮影はお受けしていません。
 常温の室内で制作するためライトを当てたり、
 撮影のため冷凍庫に保管するまでに時間がかかると
 「※氷が劣化」して
 いったん冷凍庫で保存しても、
 会場で展示した時にすぐに溶け始めてしまいます。
「※氷が劣化」氷彫刻の「氷が溶ける」という意味の違い

  すぐに氷の中に白い筋の様なものが現れ、
 透明だった氷が濁ってきます。
 直接ご覧になられると変化していく様子が良くわかります。
  
  料理に例えると、一度箸をつけたものを
 お客様にお出しするということになりますので
 お客様から注文をいただいた作品の撮影はお断りしています。

  また工房やスタジオでの撮影・収録で
 フローラルアイス、氷彫刻を制作する場合は
 氷彫刻制作料、パフォーマンス料、出演料等を
 いただいています。
 ご了承ください。


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